新たな東京の足として2000年12月に登場した都営大江戸線ではこれまでにない画期的な試みとして、26の駅にパブリックアートスペース「ゆとりの空間」が設置されました。 それぞれの駅に設置された作品の約半数は、350点以上の応募の中からコンペにより選出されましたが、この壁画もそうして選出されたもののひとつです。(約半数は審査により選ばれた協賛としての寄贈作品)
それぞれの駅には各々デザインコンセプトがあり、それぞれに選出された建築デザイナーによって駅構内がとてもユニークな内装に飾られました。多くの駅がその土地や地域の個性を表現したものになっていて、地下鉄を利用する人々に魅力ある空間を提供しています。
勝どき駅においては、ブルーグレーとグリーンを基調とした色のバリエーションで駅舎が彩られています。川や運河に囲まれ、「勝どき橋」とともに発展したこの地域の「水との関係」を色やフォルムでさまざまに表現されたデザイン。
当時、インテリアデザイナー平田裕二氏から前述のコンペの参加に誘っていただいた時には駅舎デザインを担当する設計事務所はすでに選出されており、コンセプトも決定していました。
「水」をテーマにしたそのコンセプトを聞いて、海にも近いこの地域を「水の中から」捉えてみたらどうだろうと考えました。
私の中心的なスタイルでもある西洋古典絵画の作風で、水の中から「街」を見守っている。水の中にも神々が住む豊かな世界が広がっていて、
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